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注目の新製品が市場に出るまでの全工程:企画から品質保証までの詳細ガイド

こんにちは、エンジニアの未来編集部 中村です。

みなさんの身近のある製品が市場に出るまでには、多くの人々が関わり、数々のプロセスを経て初めて形になります。今回は、新商品が発売するまでの製品開発の工程を簡単にご紹介いたします。

1. 企画&提案

企画&提案の段階では、新しい製品のアイデアを出し、その実現可能性を検討します。この工程では以下のような仕事があります。

  • 市場調査:消費者のニーズや競合製品を調査し、新製品のコンセプトを固めます。アンケートやインタビュー、データ分析を通じて、どのような製品が求められているのかを明確にします。

  • アイデア出し:ブレインストーミング(よくブレスト会議と呼ばれます)など、関係者内や、購買層をゲストに迎えたりしながら、さまざまなアイデアを出し合います。ここでは、自由な発想が求められ、どんなアイデアも否定せずに出し合うことが重要です。

  • 企画書作成:アイデアを具体化し、企画書としてまとめます。これには、製品の特徴、ターゲット市場、予算、スケジュールなどが含まれます。企画書は、社内の承認を得るための重要な資料となります。

この段階では、クリエイティブな発想力と市場分析力が求められます。

2. 設計

次に、設計の工程に進みます。ここでは、製品の具体的な形状や機能を決定します。

  • コンセプトデザイン:製品の基本的なデザインを描きます。スケッチや3Dモデルを使って、視覚的にわかりやすくします。デザインの段階では、見た目の美しさだけでなく、使いやすさや機能性も考慮します。

  • 詳細設計:製品の各部品の寸法や素材を決定します。CAD(図面作成ツール)を使って、詳細な設計図を作成します。ここでは、部品同士の組み合わせや製造方法も考慮します。

  • シミュレーション:設計した製品が実際に機能するかどうかをシミュレーションで確認します。これにより、設計の問題点を事前に発見できます。例えば、強度や耐久性、熱の影響などをシミュレーションで検証します。

設計の工程では、技術的な知識と創造力が重要です。

3. 試作&評価

試作&評価の段階では、実際に製品の試作品を作り、その性能を評価します。

  • 試作品作成:設計図に基づいて、試作品を製作します。実際の製品と同じ材料や製造方法で作られることが多く、様々な加工機があります。近年では3DプリンターやCNC(Computer Numerical Control)制御装置(より複雑で精度の高いコンピュータ制御が可能)も使われます。

  • 性能評価:試作品をテストし、設計通りに機能するかを確認します。耐久性や安全性など、さまざまな観点から評価します。例えば、落下試験や温度試験、使用環境でのテストなどを行います。

  • 改良:評価結果に基づいて、設計を改良します。必要に応じて、試作品を再度作成し、再評価します。このプロセスを繰り返すことで、製品の完成度を高めます。

この工程では、実験と分析・解析のスキルが求められます。

4. 製造&調整

次に、製造&調整の工程に進みます。ここでは、量産体制を整え、実際に製品を製造します。

  • 生産計画:製品の生産スケジュールを立て、必要な資材や設備を準備します。生産計画は、需要予測や在庫管理、製造ラインの効率化を考慮して立てられます。

  • コスト管理:生産コストを管理し、予算内で製品を製造します。

  • 製造:工場で製品を生産します。大量生産する場合は、自動化された生産ラインやロボットを使うことが多いです。製造工程では、品質を維持しながら効率的に生産することが求められます。

  • 調整:製品の品質を確保するために、製造過程での調整を行います。これには、機械の設定や作業手順の見直しが含まれます。例えば、製品の寸法や仕上がりを確認し、必要に応じて微調整を行います。

製造の工程では、効率的な生産管理と品質管理が重要です。

5. 品質保証

最後に、品質保証の工程です。流通前に製品が一定の品質基準を満たしているかを確認し、流通後も品質を守る業務があります。

  • 品質検査:流通前の製品の各部品や完成品を検査し、規格に適合しているかを確認します。検査には、目視検査や機械検査、機能検査などがあります。

  • 不良品対策:流通後、不良品が発生した場合、その原因を特定し、対策を講じます。例えば、製造工程の見直しや作業手順の改善、材料の変更などが考えられます。

  • 顧客対応:流通後、顧客からのフィードバックを収集し、品質向上に役立てます。顧客の声を反映させることで、次の製品開発に活かすことができます。

品質保証の工程では、細部にわたる注意力と問題解決能力が求められます。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?みなさんが手に取る製品はひとつひとつ、このような工程を経た上で、製品としてお届けされています。

製品としての完成度や品質を高めれば高めるほど、販売価格も上がりますし、逆に工程をおろそかにすれば、安価と引き換えにすぐに使えなくなってしまうことも多々あります。みなさんも何度かこういった体験をしたことがあるのではないでしょうか?

今回ご紹介したどの工程も、無くすことはできない重要な工程であり、それぞれにやりがいを感じることができる重要な仕事です。

また実際の業務に就いた場合、これらのプロセスを複数体験し、理解することで、製品開発の前後の流れや全体像が見えてくるようになります。このような人材は、業務効率や内容の改善、指導などが可能になってきますので、より重要な役割を果たす人材としてステップアップも可能です。

今回の記事を読んで、製品開発の魅力を少しでも感じていただければ嬉しいです。私たちの会社では、これらの工程に携わりながら、新しい価値を生み出すエンジニアたちが日々活躍しています。もしこの記事を通じて、「自分もこんな会社で働いてみたい」と少しでも思っていただけたら、ぜひ一度私たちの採用ページをのぞいてみてください。

最後までご覧いただきありがとうございます。「エンジニアの未来」は毎週月曜日更新!次回もお楽しみに!