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「防災から鉄道まで!セントラルの技術革新とチームワークの重要性」

当社アスリート社員 上里琢文選手(ビーチサッカー日本代表)の新企画「上里琢文が行く!」を今回から始めさせていただきます。

このシリーズは上里選手が気になる、当社の部署や社員などにインタビューをし、アスリートならではの視点などもふまえ、ご覧の皆さま(社内外問わず)に当社のことをより知っていただく為のシリーズ企画となっております。

今回は、開発生産部 M・Nさんにインタビューをさせていただきました。(2022年7月現在)お話ししていただいたのは・・・

・10年先の技術
受託開発と受託製造
・コミニュケーションの重要性
・派遣への想いについて

です、是非ご覧ください。

【10年先の技術】

上里:「僕は本当に素人ですがよろしくお願いします。」

M:「お願いします。何でも聞いてください。」

上里:「では早速ですが、開発生産部とはどういう部署になるのですか?」

M:「2~3年後、長いスパンでは10年後に世に出ていくような、今あるものを改良したもの、もしくは今は世に無い製品を作っている部署になります。具体的には、メーカーからこういうものを作ってくださいというオーダーを受けて、形にするという仕事となります。」 

M:「例えば当社には、『情報告知システム 情報端末装置』という製品があるのですが、その製品例で言うと〈公共の防災無線と同じような装置が各家庭にも欲しい〉〈情報の伝達経路はこんな感じの経路にして欲しい(役所→電波→ご家庭)〉〈その装置は目が悪い人、耳が悪い人でも使えるようにしたい〉といった要望を受け、ではこんな解決法ではどうでしょう?といった仕様打ち合わせから始まり、最終的にこんな製品を作りましょうというお話しをしていきます。これが『受託』という仕事の流れになります。」

上里:「例えばこの装置はどれくらいの期間で製品になったんですか?」

M:「この製品は、前身があったので1年半程度でした。長い期間を要したもので印象に残っている製品と言えば、私が当社に入社した20年ほど前ですが、携帯電話からアンテナが伸びていた時代があったんですね。実は、その時点で今のスマホの発展版のようなものは開発されていたんです。動画配信を個人端末で観れるような実証実験であったり、今の非接触型ICカードのような機能を持たせようといった研究開発をメーカーさんと一緒にやっていました。業界内では通信バブルと呼ばれていた時代です。最近ではそういった研究開発もやり尽くされてきた感もあり、来年再来年に発売される製品の共同開発のようなのもが増えてきていますね。」

上里:「10年も先のことを想定しているのはすごいですね。10年後のイメージを持ちながら開発するんですか?」

M:「最初はイメージなんてできていませんよ(笑)。というのは、製品化される過程で、最初は基板というものが10枚入っているような大型な試作品から始まり、徐々にサイズを小さくしていくんです。まずは、開発者やお客様が思い描いている機能を実現するためにはどうすればいいのか?という所だけを考えているので、その時点では最終的にどうなる?といったことは考える余裕はないんです。最終的な形態の想像はしにくい世界なんです。」

上里:「今『ない』ものを創るのは難しそうですね。」

M:「確かにそうなんですが、エンジニアとしてはそこが一番面白いところでもあります。自分が作ったものが世に出て注目されるのは嬉しいですし、家族に ”これ、俺が関わって創ったんだよ” なんて自慢もできますしね。」 

上里:「確かに自慢したくなりますね。」

【受託開発と受託製造】

上里:「この防災放送用アンプ(屋外拡声用電力増幅装置)は、夕方17時ごろになると『ゆうやけ こやけ』が街中から聞こえてくるスピーカーに設置されているアンプですよね?どの地域にもありそうですから出荷台数も多いのではないですか?」

M:「このアンプに関しては、当社が作った製品だけで4万台ですね。上里さん、毎日『ゆうやけ こやけ』を放送しているのにも実は意味があるのですが、分かりますか?」

上里:「いえ、分かりません。」

M:「このスピーカーの放送は、緊急時の際にも活用されます。緊急時に放送が流れなかったら、意味のないものになってしまうので、毎日テスト放送を兼ねて『ゆうやけ こやけ』が流れているんですよ。」

上里:「なるほど!そういうことなんですね!ちなみに防災放送用アンプの他にはどんな製品を製造しているんですか?」

M:「アンプ以外には、カーナビゲーションシステムや、公共インフラと言われる鉄道の運行装置などですね。世の中の役に立つ製品を作ってはいるのですが、あまり皆さんの目に触れることがない製品などもありますね。」

上里:「鉄道の運行装置というのは?」

M:「踏切内に人が入ってきた時、昔の電車はブレーキをかけるか、かけないかだけの選択肢だったのですが、最近は『このスピードだったらこのあたりで止まれそうだ』という制動をかけています。このセンサー部分を当社が創っています。あとは駅間の情報伝達システムもやらせてもらっていますね。」

上里:「これは受託開発と受託製造になるのですか?」

M:「正解です。その他にもメーカーさんのセンサーを創る部署に当社のメンバーが派遣で入っていたりもするんですよ。したがいまして、受託開発や受託製造だけではなく、構内請負やエンジニアの派遣のメンバーとも協力して開発しています。」

【コミニュケーションの重要性】

M:「上里さんはどうやってモチベーションを保っているんですか?我々の仕事は似たようなことの繰り返しなので、若手のモチベーションを保つのに苦労しているのですが。」

上里:「僕の場合は『来年のワールドカップに出て活躍する』という大目標があり、2週間に1回程度は試合があるので、目標から逆算して試合ごとのテーマを決めています。試合に向けての普段の地道な練習が楽しいわけではありませんが、モチベーションを下げている時間はないかもしれないです。」

M:「カッコいいですね(笑)。エンジニアの世界は、一気にスキルアップして目標を達成することは出来ないんですよね。少しずつ積み重ねるしかない上に、結果がわかりにくいんです。」

上里:「エンジニアさんはコミニュケーションが苦手な方が多い印象はありますが、例えば1人で黙々と作業をして、きちんと結果を出してしまうエンジニアはそれでOKなんですか?」

M:「そんなことはありませんよ。絶対的にコミニュケーションは必要です。本当に何から何までこなしてしまうような人はすでに独立しています(笑)。というのは、我々がやっていることは『ガワ』と言われる機械と、その中に組み込む『電気回路』のハードウェア、それを動かす『魂』であるソフトウェアの3つの分野からモノを作っているので、それぞれの分野同士がコミニュケーションして連携しないと成り立ちません。人材を採用する時も技術力よりコミニュケーション力を優先しますね。技術力が多少足りなくても周りを巻き込んで解決出来ますから。それから、仕事がうまくいっていないという人は、仕事がうまくいっていないのではなくて、上司や周りとのコミニュケーションがうまく取れていない場合がほとんどです。逆にうまくいっていると感じている人は間違いなく周りとのコミニュケーションがうまく取れている人ですね。」

上里:「わかります。サッカーのチーム内コミニュケーションも全く同じことが言えます。人と人が集まって物事を成し遂げようとしているところでは同じチームプレーと言えますよね。」

M:「エンジニアでも『話しかけてくれれば答えます』というタイプが多いのですが、そういう人のところには人は集まらなくなるので、圧倒的に情報が減ってしまい、自分のスキルでしか勝負できなくなってしまいます。逆に話しかけやすい人のところには人が寄っていきますから、情報やスキルもどんどん入ってきます。」

【派遣への想い】

上里:「話しは変わりますが、新入社員の目標値みたいなものはあるのですか?」

M:「数値目標はないのですが、スキルがステップアップしていくような指導の仕方はしています。まずは先輩が出来ることを、出来るようになること。出来るようになったら次のステップへ。機会があればいろんな業務をやってもらう。受託から派遣に出てみる。いろいろな経験をして自分に向いているものを見つけて欲しいと考えています。」

上里:「派遣に出ていろいろな経験をしてもらう意味とは?」

M:「簡単にいうと戦略的な派遣というか、最終的には自社開発をしたいわけです。例えば5人のエンジニアが違う派遣場所に行って戻ってくると、5人分のスキルや違う文化を身につけて戻ってくるんです。そのスキルは自社の財産にもなりますし、また新しい技術は現在の取引先も喜んでもらえるものになります。上里さんの世界でいうと移籍などになると思いますが、移籍して成長したりしませんでしたか?」

上里:「すごく成長しました。特に海外に出た時はサッカー観の違いに驚き、だいぶ視野が広がりました。勝ちに対する貪欲さや結果がすべての世界だったのでプレースタイルも変わりました。また移籍した先のチームに馴染むために、まずはチームメイトを知るための努力をしましたね。そうすることで周りが見え、自分の役割や求められるものが見えてくるんです。エンジニアの方でも新しい環境に入って刺激を受けることで、何かしらの成長があるように思えます。」

M:「そうなんです。目的は派遣で習得した技術で会社全体のレベルを上げていくことです。派遣に行った人が頑張ってくれることで受託の仕事も増やしてくれる。『セントラルって会社はこんなにすごいんだ』とメーカーさんにも思ってもらえる、そういう意味ではエンジニアが1番の営業だと感じています。現場で会話し、実績があり、信頼しているエンジニアが言うことは信用できるし、所属している会社も信頼しやすいじゃないですか。この開発生産部はもともと受託メインではありますが、ソリューション部(営業部門)に相談をして、修行ではないですが個人個人が成長できそうな現場に行ってもらい、そこで認められて戻ってきて欲しいと考えています。」

上里:「僕の世界のレンタル移籍みたいなものですね。ちなみに戻りたくないって人もいるんですか?」

M:「はい、います(笑)。僕も実はそうでした。でもそれでもいいと思っています。中しか知らない、外しか知らないでいるよりは、自分に最も合った場所で働いて技術を磨く。それを内外に還元していく。いろんな経験をして自分が目指すべきゴールを見つける。それでもいいんじゃないですか。できれば完全移籍せずに、あくまでセントラルからのレンタルという形が理想ですが。」

上里:「まさに自分らしくな働き方ですね。数年後が楽しみになってきました。本日は勉強になりました。ありがとうございました!」

M・N
神奈川県平塚市生まれ。現在4人家族(+めだか10匹)で神奈川県厚木市在住。 1999年に新入社員として入社。受託設計、構内請負、技術者派遣で防災無線システム、生体認証システム、 宇宙機器のハードウェア設計、システム設計を15年担当。 電力増幅装置開発、水利システム開発のプロジェクトリーダ-、プロジェクトマネージャー担当後、 構内請負、技術者派遣で得た経験とお客様との信頼関係をもとに、現在は技術営業責任者として活躍中。


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