「エンジニア必見!キャリアコンサルタントが語る成長とキャリア構築のポイント」
弊社アスリート社員/上里琢文選手(ビーチサッカー日本代表)の「上里琢文が行く!」
このシリーズ企画は、上里選手が弊社の部署や社員などにインタビューを実施し、アスリートならではの視点をふまえ、皆さまに弊社のことをより知っていただく為のものになります。
今回は、弊社社員のキャリアコンサルティングを担当する、キャリアコンサルタントの M・K さんにインタビューをさせていただきました。お話しいただいた内容は・・・
・共に向き合い、問題解決への扉を開く
・セントラルエンジニアリングでの面談の醍醐味
・本質的な部分は『状況』と『感情』である
・できることをどのように増やして、成長していくのか?
となります。
「キャリアコンサルタント」:国家資格の職業の名称
「キャリアコンサルティング」:キャリアコンサルタントと相談し助言を得ること
共に向き合い、問題解決への扉を開く
上里:「本日はキャリアコンサルタントというお仕事について、いろいろとお話を伺わせていただきます。よろしくお願いいたします。」
M:「こちらこそお願いいたします。インタビューを受けるなんて光栄です。」
上里:「まずは、『キャリアコンサルタント』とはどんなお仕事なのか、教えてください。」
M:「はい、まずは『キャリア』とは何か? というところからお話しさせてください。 キャリアと聞くと仕事の経歴といったイメージが強いかと思いますが、本来の意味では、ひとりの人間が『どのように生きていくのか』を考えて歩んでいく、そのプロセスそのものを総じて『キャリア』と言います。その中で仕事に関するものは、本来『ワークキャリア』と呼びます。その上で、 キャリアコンサルタントは何をするのかというと、皆さんが生きていく過程の中で、どうしようか悩んだり迷ったり、いろいろな選択をされていくわけですが、その悩みに、共に向き合い、問題解決への扉を開く仕事になります。」
上里:「一緒に考えていただけるのですね。でもキャリアコンサルタントに相談にくる方は、答えや道標を求めているような方が多いのではないですか?」
M:「確かに、迷っているので答えやアドバイスが欲しいという方はいらっしゃいます。 しかし、キャリアコンサルティングの大前提は『答えは自分の中にある』というものになります。もちろんプロとして、ご提供するべき情報などは、知っていないといけないのですが、私たちが何かをしてあげるということではないのです。」
上里:「そうなると、相談者は成果を得られないで、手ぶらで帰る場合もあるのですか?」
M:「何も得られないことはほとんどありません。というのは、その方の今の悩みだったり、これまでの経緯などを伺っていると、ある一定の進むべき方向性というのが、きちんと見えてくるんですね。それを一緒に捉えて、今後は具体的にどうやっていきましょうかと考えて、最終的には行動につながるというのが、キャリアコンサルティングの目標、着地点になります。」
上里:「ティーチング(教える)ではなくて、コーチング(問いかける)ということですね。」
M:「そうですね、ニュアンスは近いですね。」
上里:「現在の仕事に対して自信がなくて、どうしたらいいのか分からないという方もたくさんいらっしゃるかと思います。Mさんはその対応をする上で、相談者から何かを聞き出したり、逆にアプローチしたりすると思うのですが、どのようにしているのですか?」
M:「おっしゃる通り、どうしたらいいのかわからないという方はたくさんいらっしゃいます。そんな方の場合は、急に『これからどうする』といった未来の話をしても答えは見つからないので、まずは過去のお話を丁寧に聴いていきます。そのお話の中に、その方の価値観や、強みなどがちゃんと眠っているものです。それらを見つけて、これはあなたの強みじゃないですか?とお伝えすると、本人も『あっ』と気づいたりして、解決の糸口が掴めたりするんですよ。」
上里:「本人だと気づけないところまで、じっくり深掘りしていくのですね。」
M:「何をしていいのかわからない方に接するときに、『あなたは何がしたいの』と問いかけるのは、逆に本人を追い詰めてしまう場合が多いです。私の体感としては、やりたいことがある人の割合はそれほど高くないのですが、私はそれでいいと思っています。実際、私も若いときは特にやりたいことはありませんでした。そのため、今どうしたらいいのか分からない方には、過去にやってきたことや、今やっていることなどを、丁寧に積み重ねていくことで未来が見えてくるんです。」
上里:「これは僕にはない発想でした。自分を含め、ほとんどのアスリートは目標が常にあるので、そこに向けて何をやるのかは常に明確なんですよね。やりたいことしかないので。」
M:「上里さんのようにアスリートとして結果を出している方は、特に行動の方向性は明確ですよね。」
上里:「Mさんはキャリアコンサルティングをしている中で、どんな場面で喜びを感じるのですか?」
M:「いろいろありますよ。例えば、ご相談しに来てくださった方とお話して、ではこういう事をやりましょうと決めて、それをちゃんと実行してみた結果、こんなに改善されました!というご報告をいただくととても嬉しいです。」
上里:「成果が形になった瞬間ですね。それは嬉しい。」
M:「あとは、面談中に、ウーンと塞ぎ込むじゃないですけど、何となくすっきりしないお顔をしていた人が、話が進む中で、『そうか!』となる瞬間ですね。ブレイクスルー(※障壁を突破すること)した瞬間。これもすごく嬉しいです。」
上里:「僕も目に浮びました。腹に落ちた瞬間ですね。」
セントラルエンジニアリングでの面談の醍醐味
上里:「Mさんがキャリアコンサルタントになろうと思ったきっかけは?」
M:「どういうわけか私は昔から周りの人から相談を受けることが多かったんです 。話しやすいだけなのかもしれません。職場では上司や後輩、お客様からも相談されて、私はうんうんと聞いているだけでしたが、不思議と最後にはありがとうと言われ、問題を解決して満足されるようなことがあったりしたので、自分には人のお役に立てる何かがあるのかなとぼんやりと感じていました。その後に転職したのは人材派遣会社で、出向している方の話を聴く業務をすることになったため、人の話を聴くための技術があるのではないかと調べた結果、キャリアコンサルタントという資格を知り、取得することになりました。」
上里:「人の話を聴くための技術を勉強するのですか?」
M:「そうですね、いろいろなことを学ぶのですが、ロールプレイングで実際に相談者に寄り添って話を聴く、といったことを特に練習しました。」
上里:「当社でコンサルすることになったきっかけは?」
M:「キャリアコンサルタントの勉強会で、同じ資格を持っていらっしゃるセントラルエンジニアリングの社員の方と知り合いまして、お声をかけていただきました。それまで私がコンサルしてきた相談者は女性ばかりでしたので、私にとっては新しい挑戦となりました。」
上里:「当社では、これまでに100人以上の社員と面談をされてきたということですが、どんな印象をもっていますか?」
M:「とにかくみなさん、誠実にお仕事に取り組んでいらっしゃる印象があります。またお話をお聴きすると、エンジニアの仕事は奥が深く、やればやるほどご自分なりの課題が出てくるということで、みなさんその課題の解決を追求しています。その追求しているお話が楽しいんですよね。セントラルエンジニアリングでの面談の醍醐味でもあります。」
上里:「人の話をただ聞いてるだけなら簡単ですが、聞き出すことは難しいですよね。相談にくる方は自分の考えを持っていても、言葉にするのが苦手な方が多いのではないですか?」
M:「そうですね、苦手な方やシャイな方もいらっしゃいますけれども、喋ってくれない方はいません。みなさん想いはありますので、それぞれのペースに合わせてお話を聞いていきます。」
本質的な部分は『状況』と『感情』である
上里:「エンジニアの方とはどんなお話をされるのですか?」
M:「基本的には、『今のお仕事ではどういうことをやっているのですか?』というところから始まります。皆さんそれぞれ、必ず何かしらの課題感みたいなものを持っていらっしゃるので、それをどのようにいい方向に持っていくのか、(課題を)クリアしていくのかを考えていくことが多いですね。」
上里:「それぞれが持っている課題感は年代によって違うのではないですか?」
M:「はい違います。1年目~3年目のエンジニアの皆さんとの面談では、仕事の仕方や考え方、目標設定、コミュニケーションなど、仕事を習得していく各段階で、どんな風に成長していったらいいのかというご相談が多いです。」
上里:「新卒研修の発展段階といった感じですね。3年目くらいになると後輩も出来てきますよね。」
M:「その通りで、部下育成のご相談も出てきます。これは相手のあることなので、まずは育成とはどういうことなのか、そのためにどんなコミュニケーションが必要なのかといったことを考えます。その上でしっかりと戦略をたてて、取り組んでいっていただきたいですね。」
上里:「さらにベテランになるとどんな相談内容になるのですか?」
M:「10年、15年以上お仕事をしている方からは、これからのキャリアプランをどう描くか?という相談が多くなってきます、3年、5年、10年と中長期的なキャリアプランの話ですので、それは今後自分がどんな風に仕事をしていきたいのか?どんな風に生きていきたいのか?ということを考える必要がありますので、場合によっては、ご家族のことにも話が及ぶこともあります。」
上里:「やはり年代や環境によって相談内容は全然違いますね。」
M:「少し重い話になりましたが、基本は日々の仕事の悩みがメインです。セントラルエンジニアリングには本当にいろんなお仕事、携われる業種があるわけですが、どんな業種にも共通してブレイクスルーしにくいポイントみたいなものがありまして、そこをどのように乗り越えるかという話になります。例えば、部下育成の場面では、教育をしなければいけないので、自分のことだけに集中できません。部下がどういう風に仕事しているのか、今どの程度できているのか見なければいけない。これくらいの結果を出すためにはどのように関わるのか?というように、分解していくと後輩育成というだけでもたくさんのフェーズがあるのです。その上で、どこまでが出来ていて、どこが出来ていないのかを一緒に探すような感じです。」
上里:「そこまで細分化して行くと、問題ひとつでもいくらでも話せてしまいそうですね。」
M:「そうなんです。1〜2時間程度はあっという間に経ってしまいますので、話を一通り聞いて、どの部分を掘り下げる必要があるのか判断していきます。」
上里:「技術的な話題への対応は難しいのではないですか?」
M:「難しいです。エンジニアの方は自分の仕事に誇りをもっている方が多いので、業務内容をお話したがる方も一定数いらっしゃいます。それに対しては、『抽象化』と言うのですが、物事を大きく捉えて、『それはこういうことですよね?』と概念に置き換えることで、知識がなくても対応はできるんです。本質的な部分は具体的な技術ではなくて、それを取り巻く『状況』と『感情』であることがほとんどなので。」
できることをどのように増やして、成長していくのか?
上里:「最後になりますが、キャリアコンサルタントの立場からエンジニアのキャリア形成にアドバイスできることがあればお願いします。」
M:「そうですね。これは自分に任せてくださいと言えるような、自分の強みを持って欲しいですね。強みを持っていると、代えが利かなくなりますから、年齢が上がっても強いんですよね。極端な例ですが、よくお聞きするのが、就業先に生き字引みたいな人がいるっていう話です。」
上里:「よく聞きます!」
M:「そういう、特定分野の事をなんでも知っている方は年齢も高めで、定年も過ぎている。それでも居て貰わないと困る。そんな立場になれるかもしれません。」
上里:「そういう方、かっこいいですよね。逆に器用貧乏みたいな人。何でもそこそこ上手くやるけど、スペシャリストになれない人は、結局自分は何も持っていないみたいに感じがちですよね。」
M:「全然そんなことはないんですけどね。それは単に特性の問題です。特定領域の専門家と視野が広くて全体をみて判断する人、両方いないと組織って成り立たないですよね。」
上里:「チーム作りと同じですね。」
M:「強みを持つという意味でも、エンジニアのみなさんには、今後自分が、できることをどのように増やして、成長していくのか?ということを意識していただければと思っています。私もコンサルという形で、そのためのお手伝いをさせていただきます。セントラルエンジニアリングでの仕事を通して、ご自身のキャリアを積み上げていきましょう。」
上里:「色々勉強になりました。本日はありがとうございました!」
M:「こちらこそありがとうございました。」
M・K
東京都目黒区生まれ。国分寺市育ち。 2018年に国家資格キャリアコンサルタント取得、2020年4月より独立。
2020年8月から株式会社セントラルエンジニアリングにて外部キャリアコンサルタントとして従事。 主に年次の若いエンジニアとの面談や研修体系の構築などに関わる。
上里 琢文(うえさと たくみ)
ー経歴ー
沖縄県宮古島出身。小学校1年生からサッカーを始める。学生時代に、県大会での優勝経験や沖縄県選抜チームに選出される。その活躍が認められ、京都サンガFCにスカウトを受けプロへ転向。その後、FC琉球(沖縄)→SVアラーハイリゲン(オーストリア)→JPVマリキナFC(フィリピン)などのチームを経験し、ビーチサッカーに転向(現 TOKYO VERD BS 所属)。その後、ビーチサッカー日本代表に選出され、FIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021で史上初の準優勝を果たし銀メダル獲得。2022年より弊社アスリート社員として入社し、マーケティング部に配属。2023年ビーチサッカー日本代表(背番号5)として選出される。現在、社会人×アスリートとして活躍中。
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