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「半導体不足が引き起こす影響とその重要性:エンジニアが知っておくべき基礎知識」

こんにちは、『エンジニアの未来』編集部 望月です。

2022年春頃、「半導体不足」というニュースが頻繁に流れていました。世界的に半導体不足となり、家電量販店では電子レンジや洗濯機、パソコンなどの製品が品薄になり、自動車業界にも影響を及ぼしていました。

他にもスマホ、タブレット、テレビ、エアコン、電車、飛行機、自動販売機、銀行のATM、監視カメラ等々・・多くの様々な製品に使われている半導体とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

◆半導体とは
半導体とは、電気を良く通す「導体」(※金属など)と、電気をほとんど通さない「絶縁体」(※ゴムやガラスなど)との中間の特性を持つ材料・物質のことです。半導体の「半」は半分の意味で、英語でも「semi(半分)」「conductor(導体)」を合わせた「semiconductor(半導体)」という単語です。

代表的な半導体の材料はシリコンですが、他にもゲルマニウムやカーボンが使われることもあります。使い方次第で電気を流したり流さなかったりというように、導体・絶縁体どちらにもなることができます。

通常は、シリコン等の半導体の材質は電気を通しませんが、「温める、光を当てる、不純物を混ぜる」などの条件を加えると、電気を通すように変化します。この特性を活かし「電気を流す量をコントロールする」ことができるのが半導体です。わかりやすく例えると、水道の蛇口が良い例で、蛇口は「ひねり方で出す水の量をコントロール」できますが、この水を電気に置き換えて、半導体は「電気を流す量をコントロールできる」ものです。

なお、半導体に使われるシリコンと、美容で使われたりホームセンターで住居の接着・補修剤として販売されているシリコンは別のものです。日本語では同じですが、英語のスペルでは半導体は「silicon」、ホームセンター等のほうは「silicone」で末尾にeがつく別の単語です。

現在は半導体を材料に用いた電子部品も半導体と呼ぶようになっています。電子部品の代表的なものは、ダイオード、トランジスタや集積回路(多数のトランジスタなどを作り込み配線接続した回路)です。集積回路はICといわれ、大規模になったものがLSI(大規模集積回路)です。

◆代表的な半導体
それでは、半導体と呼ばれている代表的な電子部品をあげてみます。

・ダイオード
・トランジスタ
・集積回路(IC)

ダイオードは、一方向にしか電気が流れない構造をしています。電気を通す導体の場合は両方向に流れるため、両方向に流れると不都合なところに使われます。例えば、乾電池を逆に入れると電流が流れず、正しい向きにいれると電流が流れるところなどです。

トランジスタは、電力を増幅させたり、電気の信号の流れを高速でオン、オフする機能がある電子部品です。歴史は古く1940年代に半導体(当時はゲルマニウム)を用いて作成されたのが始まりです。当時、ラジオの電子部品には真空管(しんくうかん)を使っていましたがトランジスタが開発されたことで、小型化、省電力、長寿命を実現しました。現在はラジオ以外にもコンピューターなど様々な機器に使われています。iPhone1台には160億個のトランジスタが入っているそうです。

集積回路(IC)は、 あらゆる電子部品を超小型化して、小さなシリコンチップの上に集積させたものです。ダイオードやトランジスタなどのさまざまな電子部品が入っていて、それぞれが繋がりあい、既にチップ内に必要な回路が実装できているものになります。最新技術では、指の爪ほどの大きさのチップに500億個のトランジスタを搭載するという開発が進められているそうです。

◆今後は
現在、自動車業界では自動運転、EV(電気自動車)の技術が台頭していますが、自動運転のセンサー、EVのバッテリーのモニタリングなどにも半導体が使用されていき、EVで一般的な乗用車の倍、自動運転で10倍程度の半導体が必要になると言われています。また、製造業で活躍する産業用ロボット、VRゴーグルで仮想空間の傾きや動きを判断するためのセンサーなどでも使用されていくでしょう。

このように国内の半導体市場はますます拡大していくことから、製造、開発、設計など、半導体に関わるエンジニアの需要は高まっています。

弊社では、半導体に関するお仕事を募集しております。弊社の★エンジニア募集案件★にご興味ある方は、ぜひご応募ください。

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