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「竹とんぼ型飛行装置から学ぶ!ヘリコプターの揚力と推力の謎」

こんにちは、『エンジニアの未来』編集部 望月です。

以前のオウンドメディア記事(※)で、なぜ飛行機は飛ぶことができるのか、重要な4つの力とその構造を簡単にご説明いたしました。

※以前の投稿:飛行機はなぜ飛べるのか?4つの力と翼の形状の秘密

今回は、その第二弾としてヘリコプターが空を飛べる仕組みについてご説明いたします。空を飛ぶといえば、某アニメ猫型ロボットのひみつ道具で人気の竹とんぼ型飛行装置。頭に装着して自由自在に空を飛び回る姿は魅力的でしたね。竹とんぼ型飛行装置で飛ぶ様子をイメージすると、ヘリコプターの理解も深まるかもしれません!

◆ヘリコプターを操る4つの力
飛行機と同じく、ヘリコプターが空を飛ぶためには、4つの力が絶妙なバランスを保つことが必要です。

1. 推力(すいりょく): エンジンによって生み出され、前進させる力です。
2. 抗力(こうりょく): 空気抵抗によって生じる、進行を妨げる力です。
3. 揚力(ようりょく): 空中へ浮かびあがるために必要な力です。
4. 重力(じゅうりょく): 地球がヘリコプターを引っ張る、下向きの力です。

ヘリコプターを前へ進める力となる「推力」は、引き戻そうとする「抗力」に負けない力を発揮し、また、ヘリコプターが浮くための「揚力」は、地球の引力により地面の方へ引き寄せる「重力」の働きに負けない力を発揮した上で、どちらも力が釣り合うように調整される必要があります。

つまり、推力(←)と揚力(↑)、抗力(→)と重力(↓)が絶妙なバランスとなることで安定して飛行しているのです。

◆ローターブレード(回転翼)がつくる「揚力」について

飛行機の揚力は翼の形状に秘密がありました。ヘリコプターも同様、頭上のローターブレード(回転翼)が高速で回転することにより生み出されます。回転翼は角度がついた形状をしていて角度を変えられます。これを調整すると、回転翼をエンジンの力で回転させ、上側の翼の方が下側の翼よりも速く空気を通過させることができます。空気の流れが異なり、圧力差が生じます。この圧力差が揚力を生み出します。

揚力が重力を打ち消すことによって、空中に浮かび上がることができます。飛行するためには、発生する揚力が機体の重さ(重力)と同じかそれ以上でなければなりません。パイロットはエンジン出力やローターのピッチ角(羽の角度)を調整することで、揚力をコントロールします。

◆テールローターが関係する「推力」について

空中に浮かんだあと、前進するために必要なのが、推力と呼ばれる前進方向の力です。推力は、回転翼を傾けることによって力の方向を変えて生み出します。またこれは、後ろ側に取り付けられたテールローターも関係します。テールローターは、メインローターとは逆方向に回転し、ヘリコプターの機体を前に押し出す力を安定させます。

◆テールローターが回転する力に対抗

人気漫画では、竹とんぼ型飛行装置が回転しても、それにつられて主人公が回るということはありませんが、ヘリコプターではもし回転翼が回るだけと、機体は回転翼が回る方向と反対に回り出してしまいます。これは、反作用トルクと呼ばれる反対方向への回転力が発生するためです。

そこで活躍するのが、テールローターと呼ばれる小型のプロペラです。テールローターは、ヘリコプターの尾部に垂直に取り付けられており、メインローターとは逆方向に回転します。テールローターは横向きの推力を生みだし、反作用トルクを打ち消し、ヘリコプターの機体を安定させます。なお、操縦桿を左右に傾けると、テールローターの回転速度や角度が変化し、その結果、ヘリコプターは左右に方向転換することができます。

◆上下への移動:上昇・下降
ヘリコプターは、上下にも移動することができます。上昇と下降には、メインローターの回転速度が大きく関係します。パイロットがメインローターの回転速度を変化させ、回転速度が速くなると揚力が増加し、上昇します。逆に、回転速度が遅くなると揚力が減少して下降します。

以上が、ヘリコプターについての簡単な説明となります。実際にご自身で航空機の開発、製造に関わってみて、もっと深く知識を深め、空を飛ぶ夢を叶える仕事に携わりたいと思いませんか?

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