「技術力の本質を探る:あなたの志望動機と会社選びの軸を明確に」
皆さん、こんにちは『エンジニアの未来』編集部 中村です!
就職活動、転職活動をしていく中で志望動機は何ですか?という質問に、
「技術力が高いから」と答えている方。
会社選択の軸として「技術力が高い会社がいいな」と思っている方。
上記のような考えを持っている方はそれなりに多いのかなと感じます。
さて、その「技術力」という言葉をどのくらい具体的に掘り下げているか、整理するだけでご自身の志望動機や会社選択の軸が明確になってきます。一緒に整理していきましょう。
基本的にはどの企業も高い技術力を持っており、自社製品(新製品)を出す努力をしています。志望する理由として「技術力が高いから」という理由だけでは「他社だって技術力高いから他に行くよね?それは志望動機なのか・・?」となります。
▼「技術力」とは
技術力とは「手段や手法などを用いて物事をなしとげる能力」と定義しています。
(参照:実用日本語表現辞典)
機械工学や電気電子工学、ITなどの”技術”を使って、物事をなしとげるために必要な”能力”を総称して「技術力」という言葉が成り立っているようです。
例えば、レストランで「美味しいという噂のお店」があったとします。食材、食材を調理するための調理器具、調理するためのキッチンの環境、調理方法、料理人、料理人の経験値、料理人を支えるスタッフ、配膳担当、お店の雰囲気、価格・・。
それら全てが掛け合わさって、「美味しいごはんを出してくれるお店」となります。「美味しいごはん」を提供するため(物事をなしとげるため)に、必要な条件(能力)を掛け合わせて(総称して)、成果や結果が出ているという概念です。
そんなお店で働きたい時に、「このお店は美味しいと聞いたので、志望しています」というのは、あまりにざっくりなのでは・・と思いませんか?
「技術力が高いから志望する」「技術力が高い会社」というのは、果たして何かというのを整理すると・・・
・その会社の特色
・その会社が力を入れていること、大事にしていること
・その会社が自信があること
が見えてきて、その項目に対してあなた自身がどんな魅力を感じているかを整理すれば良いということです。
▼「技術力」を分解
①新技術など開発する力がある
②様々な技術を展開できる力がある
③技術の拡張性・汎用性がある
④技術を活用する力がある
①新技術など開発する力がある
新しい技術を生み出すことは、大きな差別化になります。他社の追随が難しい力です。特許を取るなどの実績や環境があるかないか、また会社がその施設や環境を持っているかは大きな違いです。
②技術の展開力
Aという技術を、A‘に変えてみる。Aという技術を、A‘‘に変えてみる。元々持っている技術を新しい知識と結合し、当初想定していた以外の分野へも展開を可能にする力のことです。この展開する力は、技術者自身が技術の基礎や理論をしっかりマスター出来ていることから始まります。また創造力や挑戦する力が必要です。
③技術の拡張性、汎用性がある
A業界(製品)で培った技術をB業界(製品)で展開。さらにC業界(製品)でも展開できた!技術自体が範囲や規模を超え、どの企業でも活用できるかどうか、という前提はありますが、1つの技術が他の技術を生み出させる力を持つ企業(個人)は大きな強みになります。IT技術はそもそも「拡張性、汎用性」が高いので、この視点以外の強みを確認してください。
④技術を活用する力がある
技術があったとしても、それを製品、お客様への課題に活用したり反映できる力がないと意味がありません。
▼「技術力」の正体
「技術力」とは能力であること、また「技術力」を分解してみた結果・・・
・技術を用いて働いている方(エンジニア本人)が持つ能力の集合体であること
・技術を用いて働いている方(エンジニア本人)の能力を高めるために会社が用意している環境や研修など
それらが掛け合わさっていることがわかりました。
今の大手メーカーは、①の新技術を開発できる施設や環境を持ち、④の活用力が高い傾向があります。逆に中小企業やエンジニア派遣などは②のような展開力や挑戦する環境があること、③のように拡張や汎用できる技術をもってお客様の課題を解決していくことが可能です。
上記はあくまで傾向ですが、これからどんな「技術力」を持ちたいのかをイメージすることは出来ますね。
会社選択の軸として「技術力」を検討したいのであれば、①②③④のどの能力を自分自身は伸ばしていきたいのか。志望動機として「技術力」を伝えたいのであれば、①②③④のどんな視点に共感したり、良いと感じたのかを整理して、自分自身の言葉にしてくださいね。