「エンジンの爆音に魅了された男:カーレース用エンジン開発エンジニアの軌跡」
エンジンの爆音を聞くとワクワクする! 念願だったカーレース用エンジンの開発に。出力・耐久性…最高の走りを目指して、ギリギリまでエンジン性能を追い求める。終わりのない挑戦だから面白い!今回は、カーレース用エンジンの開発・テスト担当に携わる、グループ会社(大成技研)社員のS・Kさん(エンジニア)にお話しを伺ってまいりました。
◆エンジンの爆音を聞くとワクワクする!念願だったカーレース用エンジンの開発に!
私は「頭文字D」という峠の走り屋を描いた漫画を観たのがきっかけで、小さい頃からスポーツカーの世界にのめり込んでいました。中学を卒業後は一級自動車整備士の資格取得を目指す高校・専門学校へ。当時は純粋にクルマをいじる仕事がしたかったのです。
在学中にクルマの構造を深く知るにつれて、徐々に「何かを開発してみたい」という気持ちが芽生えてきました。そこで真っ先に思い浮かんだのが、カーレース用のエンジン。とにかく荒々しくてパワフルな爆音を発するエンジンが大好きで…。
大成技研に入社を決めた理由も、まさにやりたい仕事がやれる可能性があるからでした。幸いにも、入社後早々に某スポーツカーメーカーのレース部門に配属されることに!24時間レース用エンジンのベンチテスト・ベンチテストデータ解析・テスト使用部品の準備・エンジン構造の資料作成、およびスーパーGTのテスト使用部品の準備に携わることになりました。
◆コンピュータだけでは答えを出せない。自分で何十時間も回して見えてくる世界がある!
カーレース用エンジンに求められる性能は、「勝てる出力」と「完走できる耐久性」です。難しさは、まさにこの2大性能の両立にあります。出力はいくらでも上げられますが、出力を上げれば、今度は故障リスクが高まります。カーレース用エンジンは圧力負荷が非常に大きく、ちょっとの加減ですぐにダメになってしまうのです。
ベンチテストは、何十時間もエンジンを回し、故障したら強度見直し等の対策をするプロセスの連続です。出力も耐久性もギリギリの領域で回っているエンジンは、実際に動かしてみないとわからない。それはコンピュータにも予測できない世界です。
ベンチテストで心がけているのは、エンジンを完全に壊さないレベルで負荷をかけること。なぜなら完全に壊してしまっては、「どういう壊れ方をしたか」という分析ができないからです。だからこそ不具合箇所を特定・解消し、イメージ通りの性能を引き出せた時には仕事としての達成感を覚えます。
◆スーパーGTのシリーズチャンピオンに!最高のエンジン性能を目指して、これからも。
昨年まではスーパーGT用エンジンを中心に、新規アイテムの開発・エンジンの出荷作業を含むベンチテストに携わりました。序盤戦は散々な結果に終わりましたが、テストを重ねるごとに徐々に成績が上向き、最終的にはシリーズチャンピオンに輝きました。自分が関わったエンジンで、何十年も縁がなかった栄冠を勝ち取れたことに大きな喜びを感じました。
この件で学んだのは、最高の走りはドライバーの運転のみならず、いろいろな人によって成り立っていることです。現場で作業している方や、実験棟でエンジンやボディを開発している方々など、それぞれのプロができる最大限の努力によって得られている結果なのです。
出力と耐久性の両立は、終わりのないチャレンジです。現在はエンジンを回す仕事がメインなので、今後はエンジンを効率的に動かすための機械プログラミングなど、工学的な領域にも取り組みながら、大好きなエンジン開発に幅広く携わっていけたらと思っています。
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