「キャッシュレス社会の進化と未来:デジタル通貨がもたらす変革」
こんにちは!『エンジニアの未来』編集部 望月です。
最近現金を使う機会が減ったと感じます。外食や買い物はカード決済や電子マネー、バーコード決済で済ませ、自動販売機でも電子マネーやバーコード決済が使われ、ワリカンにする時にはバーコード決済アプリで代金を送ることができ、日常のほとんどの場面で現金がなくて暮らすことができます。
このように現金をほとんど使わない社会になっていくと、例えば22世紀では、現金は消滅しデジタル通貨となり、キャッシュレス取引のみになるでしょうか?さらに今では想像できませんが、決済したことすら意識せずに、支払いが完了して商品を手にするような時代が来るかもしれません。
今回は、現金比率が少なくなっている現状について、キャッシュレス決済のデータから考えてみました。
◆日本のキャッシュレス決済の状況
政府は「2025年6月までにキャッシュレス決済比率4割程度、将来的には世界最高水準の80%を目指す」という目標を、2019年6月21日の閣議決定により発表し「マイナポイント」などの支援策を行ってきました。その結果のデータが公開されています。
【キャッシュレス決済比率】
2022年 36.0%
2021年 32.5%
2020年 29.7%
2019年 26.8%
2018年 24.1%
2017年 21.3%
2016年 20.0%
引用元:経済産業省HP:https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230406002/20230406002.html
◆世界のキャッシュレス決済の状況
上に挙げたデータより日本はキャッシュレス化が進んでいるように見えますが、諸外国と比べると遅れています。
【各国比較(2020年)】
韓国 93.6%
中国 83.0%
オーストラリア 67.7%
イギリス 63.9%
シンガポール 60.4%
カナダ 56.1%
アメリカ 55.8%
フランス 47.8%
スウェーデン 46.3%
日本 32.5%
ドイツ 21.3%
※1 中国および韓国に関しては、Euromonitor Internationalより参考値として記載。
※2 日本については2021年の値を記載。
引用元:経済産業省HP: https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/cashless_future/pdf/001_05_00.pdf
※仮に、現状の日本国内の伸び率で進行すると2028年に半数の50%を超え、23年後の2046年に100%に達するという試算になります。
他の諸国に比較して日本の割合が少ないことは、日本独自の理由が考えられています。
・治安が良く、現金を持ち歩いていても犯罪に巻きまれることが少ない。
・キャッシュレス決済をしたデータで、購買履歴が第三者に開示、利用されることを嫌がる層がいる。
・現金を使わないと、つい使い過ぎてしまうと考える層がいる。
・日本の紙幣技術が高いため偽札がほとんどなく、また紙幣もきれいな(清潔な)ため保有することに抵抗がない。
・システム不具合でクレジット処理ができないケースはありえるが、現金ならば一般的にどこでも決済できる。
半面、今後、キャッシュレス決済が伸びていく理由として以下が挙げられます。
・スマートフォンが消費者に十分に行き渡っている。
・バーコード決済手段を採用すれば、加盟店側は設備投資に負担がかからずローコストで対応できる。
・若い世代のキャッシュレス使用率が高い。学校の授業でも取り入れられている。
・高齢化社会に伴い労働人口の減少が予測されており、無人店舗が増えていくと思われる。無人店舗はキャッシュレス決済と相性が良く、キャッシュレス決済のみの試みが行われている。
・インバウンドは、日本円に換金することなく決済が可能。
・2023年4月より、給与支払いにデジタルマネーでの支払いが解禁となった。
なお、キャッシュレス決済で、現在一番比率が高いのはカード決済であり、数年前までは磁気式のクレジットカードが主でした。ところが最近のクレジットカードは非接触型のICを搭載した、かざすだけのカードや、スマホに取り込む形態にシフトし始めています。
このようなところからも、IT技術の進歩は、金融業界、リテール業界に大きく変化をもたらしていることがわかります。
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